Jahan

Jahan.jpg ヤーハン(Jahan)とは、レジスタンス諜報員としても名高いアンチマグナスの指導者。異論はありますが、レジスタンス陣営の指導者と見ている人々も数多くいます。ナジアのテクノロジーこそが貧困や飢餓、戦争といった人類社会の凄惨な問題を解決し得ると考え、人類とナジアとの接続回復に人生を捧げています。ジャハーンとも呼ばれますが、彼女の本名は明らかとなっていません。ハンク・ジョンソンとは男女の関わりがあるものの、13マグナス・ネストへ至るためにハンクを拉致するなどその想いには疑いもあります。

ヤーハンはインドのプネ近郊でアンチマグナス創設期から中心的役割を担う一族に生を受けました。生まれ育ったインド内の邸宅には、エキゾチックマターとシェイパー、ナジアに関わる膨大な知識と一族の何世紀にもわたる苦労の末に得た成果が保管されています。この一族は不可解な血縁関係をもとにして女性から女性へと指導者の地位を託していくと考えられています。このような儀式が創設期から切れ目なき記憶の連鎖を世代から世代へと継承させると一族では考えています。一族の女性指導者として、蓄えられたナジアに関する知見を保存し、ナジアのテクノロジーを現界させると考えられている「プライム・アーティファクト」の探索・収集を行う義務をヤーハンは自覚しています。恵まれた生い立ちではありましたが、その人生は闘争と惨劇の歴史でもあります。ヤーハンの母親と妹はともに、アズマティ一族の手によって毒殺されており、一族は13マグナスやシェイパーの手先が自分たちの血脈を絶ち、幾千年に及ぶナジアの痕跡を処分しようとしていると考えています。

マハーラーシュトラ州で初等教育を終えると、イギリスと米国の大学院で研究に従事しています。哲学、倫理学、情報科学、物理学、天文学を修め、最終的に生化学で頭角を顕しました。この時期のヤーハンは非常に活動的で類まれな社交性があり、実験助手に携わる傍らで地元慈善団体のボランティア活動に取り組んでいたそうです。ヤーハンはカルフォルニア大学ロサンゼルス校で行われた超次元情報伝達を題材としたサマープログラムにおいてデヴラ・ボヴダノヴィッチの研究に参加していた可能性があり、この時期に欧米諜報機関の目にとまったと思われますが、アンチマグナスへの関与が広く知られることとなる2014年後期まで監視対象とはなっていませんでした。

インドへ帰国すると、ヤーハンはインドの大手多国籍製薬企業へ就職し、その後離職して自ら医薬品研究開発会社を設立しています。表向きは商業用の医薬品開発を行っていましたが、アンチマグナスとしての活動の隠れ蓑ともなっていました。デヴラ・ボグダノヴィッチのポータル・ウィルス開発を裏で支援した疑いも持たれています。また、ヘルスケア、貧困緩和、教育、インドの農民層に対する小規模金融といった様々な組織の創設に関わっていますが、特に注目すべきはエキゾチックマター研究にも関わっていると目されるリーズン財団です。

ナイアンティック計画の事件に何かしら関わりをもった時期があるとみられており、舞台裏ではエゼキエル・カルビンやアントワーヌ・スミス、ビシュラ・テクノロジー社、そして国家情報局にも通じていた可能性があります。

ヤーハンは、プネ近郊の農村にある寺院で看護ボランティアに従事していた折にハンク・ジョンソンと出会いました。その出会いが偶然であったのか、運命であったのか、あるいは彼女が意図した結果であったのかは定かではありません。わかっていることは、ヤーハンがハンク・ジョンソンを保護し、戦闘で傷を負っていたハンクを看護したということです。ハンクを看護していくなかで、二人にはかたい絆が育まれていきましたが、ハンクがインドの寺院地下を調査したことを契機にその関係は唐突に断たれることとなります。ヤーハンがアンチマグナスに与することが公になったのです。ヤーハンはハンクを拉致すると、証人ストーンの回収に協力を強い、そのテクノロジーを手中に収めてナジアの理念を推し進めようと陸路インドからパキスタンを経てアフガニスタンの13マグナス・ネストへ向かいました。

歴史上、人類は遙かに巨大なものの一部に過ぎない。私たちはここで宇宙全体へ発することになる。」

ですが、ネストにおけるヤーハンの目論見はアズマティによって阻まれ、破局を招くこととなりました。13マグナス・ネストは崩壊し、やむなくヤーハンはペルセポリスのアンチマグナス・ネストでテクノロジーの活性化を試みざるを得なくなりますが、そこではエイダに翻弄されます。エイダはヤーハンを出し抜いてネストへ入り、ナジアの基盤と接触したのです。

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その後、ヤーハンはハンク・ジョンソンとの危うい協力関係のなかアーティファクトの奪還で行動をともにし、CERN地下にあるABADNチェンバーの封印を解いて旧ナイアンティック計画研究員を解放しました。レジスタンスが掌握したデブラ・ボグダノヴィッチ、スタイン・ライトマン、ミスティ・ハンナ、エノク・ダルビー、キャリー・キャンベル、ビクター・クレーゼ、マーティン・シューベルト、そしてローランド・ジャービスといった研究者と関係を保持しています。

アバドン・アノマリーにおいて数多くのナイアンティック研究者へ接触を果たしたヤーハンは、更に13マグナス、アンチマグナス両勢力の和解を提案しています。それは同時にエンライテンド、レジスタンス両陣営の和解をも意味するものでしたが、謀略であった疑いもあります。この時期のヤーハンはエイダへも手を差し伸べています。

ヤーハンはオブシディアン・シールドがシェイパーに対抗し得ると考え、その獲得に激しい戦いを繰り広げましたが、オブシディアン・アノマリー期にはことごとくアコライトに後れをとりました。シールドの断片を確保したエンライテンドに対して譲渡交渉まで行います提案は退けられ、シールドはアコライトの手に渡ることになります。それでもヤーハンは、スタイン・ライトマンに助勢を願ってシールド活性化を阻止しようとしますが、成し遂げられませんでした。

血の継承によって非常に多くの叡智を備えているとも考えられています。異なる人生でハンク・ジョンソンと深い関わりのある人物であったとも考えられており、彼女自身も過去に囚われています。

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