ダンレイブン財団:アマルガム(2)

2ft9l_yz_400x400.pngイングレス
2019/04/27 05:43
現行のケース・スタディをとりまとめました。3分の2が完了し、残るは3分の1は2019年04月29日に開始されます。

wearofhats.pngウェアラオブハッツ
2019/04/27 07:12:51

訳注
先にとりまとめられていた総集編に続き、2019年01月28日から2019年04月07日までに漏洩された11編の総集編が新たに開示された。
プロジェクト・ダンレイブン:ケーススタディ・セッション012

ダンレイブン保管記録セッション 4
被験者:ガブリエル [E_12]

男性の声:この日のことを覚えているかい、ガブリエル?

モニターの1台に駐車場を歩く女性の姿が映し出される。
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その後女性は建物の扉を開く様子、そしてオブザベーション・チェンバーと思しき室内へと入ってくる様子がカメラを切り替えつつ追われる。そしてモニター内のガブリエルがどこか歪んだ機械音声と話し始める。

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歪な音声:おかえりなさい、ガブリエル。心配していました。
ガブリエル:支払いが良い限りは心配は無用よ。
歪な音声:心配といった抽象概念の班別は困難です。
ガブリエル:そのうちわかるでしょうよ。私はあなたが本当は面白い人なのかどうか知りたいわね、何も知らないもの。
歪な音声:ここで行っていることには何ひとつ面白みはありません。ダンレイブン計画について再度説明が必要ですか?
ガブリエル:HAL3000ではないわね、テープだもの。

モニターの映像が途切れ、別の映像へと差し替わる。

ローランド・ジャービス ナイアンティック計画
キャリブレーション・セッション

サブセッション 3
経歴

そして、モニターにローランド・ジャービスが映し出される。
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ジャービス:私の名はローランド・ジャービス。彫刻家であり、ドリーマーだ。ビジョンとアイデアの構築者でもあるが、諸君が最も関心を寄せているのは、私がナイアンティック計画の研究員であることだろう。状況が違っていれば計画に参加していたかはわからない。だが、国家情報局は私の抱える問題を解消してくれると約束したのだ。

モニター別の映像が再生される。

ローランド・ジャービス ナイアンティック計画
キャリブレーション・セッション

サブセッション 4
計画の評価

先ほどと同じくジャービスの姿が映るが、今度は途中ガブリエルの姿も映されている。

ジャービス:知識ある者たちにエックスエムとは何かと問えば、おそらくは世界を理解するための鍵だとの答えが返ってくるだろう。国家情報局へ問えば、おそらくは武器だとの答えが返ってくるだろう。エックスエムとは、エキゾチックマターとはそういたことを遙かに上回るものだ。唯一無二なる真の光である。だが、今こそわかるものの、かつての私はわかっていなかったのだ。私の形づくる作品が私の内から湧き出でたものなどではなかったことを。我が切なる願いは、その先へ踏み入ってそこにあるビジョンやアイデア、コンセプトを手にし、我々の世界へもたらすことにある。エックスエムとは、アルティメットの声を伝うものなのだ。

モニターの映像が途切れ、続いてオブザベーション・チェンバーに座るガブリエルの姿が映し出される。

ガブリエル:ジャービスよね?生前の映像なのよね?
歪な音声:ローランド・ジャービスはチューリッヒで射殺されました。しかし、死んではいません。
ガブリエル:なんてことなの。ミスター・ロボット、あなたって毎度毎度わけがわからないわよ。
歪な音声:ジャービスの身に起きたことを理解するうえでは先ず...
ガブリエル:本気なの?ここで私と話したいだけじゃないの?こんな映像を観るのなんてうんざりよ。あと、あなたの使ってる安っぽいロボット音声にもね。
歪な音声:お望みであれば、別の声にすることも可能です。
ガブリエル:いいわね、じゃあエイリアンかモンスターの声にして。
エイダ:この声でどうでしょうか、ガブリエル。心地好く聞こえるでしょうか。あなたが人生で最も聴き馴染んだ声ですから、心地好いはずですが、いかがでしょうか。
ガブリエル:なんてことなの!
エイダ:ガブリエル、心拍数が上昇しています、具合が悪いのですか?
ガブリエル:どういうことよ!どうして施錠されてるじゃない!この忌々しい扉を明けなさいよ!
エイダ:誤解があったようですね、ガブリエル。あなたを怒らせるつもりはありませんでした。その扉は解錠しました。来週またお逢いしましょう。
ガブリエル:いったい誰なの?
エイダ:私の名前はエイダ、来週またお逢いしましょう。
ガブリエル:エイダ、私があなただったら、さっさと別の被験者をあたるわね。

モニター映像はここでようやく終わる。
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ガブリエル:その日のことは覚えてるわ。どうしてそのことを思い出させようと?
男性の声:エイダがチューリッヒで私の暗殺を企てたことはご存知かい?
ガブリエル:知らないわ。
男性の声:信用できる機械なんて存在しないのだよ、ガブリエル。我々がその定めを成就させようとするならばね。我々は寛容であるべきだろう。
ガブリエル:寛容とは?
男性の声:私は新たな取り組みに着手した。人工知能倫理待遇協会と呼んでいるよ。その慈悲と思いやりが人工知能の如き唾棄すべき存在に終焉をもたらしてくれることだろう。
ガブリエル:私は何をすればいいの?
男性の声:いずれくるその時を待つのだ、我を信奉する者よ。

プロジェクト・ダンレイブン:ケーススタディ・セッション013
プロジェクト・ダンレイブン・ケーススタディ 013
「ウェンディ」がシャポーへ接触をはかる(調査中)

携帯端末によるビデオ電話と思しき画面に、足早に移動するウェンディとシャポーとが交互に切り替わっていく。
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シャポー:ウェンディ!
ウェンディ:無くなってたわ!
シャポー:落ち着くんだ。
ウェンディ:無くなってたのよ!
シャポー:何が無くなったんだって?
ウェンディ:観測室よ。そこに行ってきたの、ただのコンピュータ学習室になってたわ。
シャポー:いいだろう、ウェンディ。僕らなら、こういった事態も納得できる。
ウェンディ:逢って話さなきゃ。顔を合わせておくべきよ。
シャポー:ああ、そのとおりだな、20分待ってくれ。

シャポーが慌てて携帯端末を取り落としたかのように画面が乱れる。続いて自らハンドルを握るシャポーの姿が映し出され、やがて歩道に立つウェンディに横付けする。
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シャポー:ウェンディ、後ろだ、後ろで話そう。

シャポーが後部ハッチを開くと、ウェンディが車両後部へ回り込んでいた。初対面らしく互いにぎこちなく挨拶を交わしたあと、以前のやりとりで取り決めていた合言葉を交わす。
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シャポー:やあ。
ウェンディ:ええ。
シャポー:今、何をしてるんだい?
ウェンディ:現実世界にうんざりしてるの。
シャポー:入ってくれ。

ウェンディが車内に乗り込むと、シャポーは後部ハッチを閉めた。バンの後部には壁中にメモや文書が所狭しと貼られている。
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シャポー:あぁ、散らかっちゃいるが、気にしないでくれ。
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ウェンディ:
こんにちは、それであなたはいつもその帽子を被ってるの?

シャポー:ひとつじゃないさ。
ウェンディ:そう、わかったわ、それで、えっとこれは何?
シャポー:我が傑作、調査ボードさ。各要素が実際の情報となっていて、シナプス結合ひとつひとつが全体をつなぎ合わせているんだが、ああっと!

ウェンディが壁面の調査ボードに触れようとするのをシャポーが慌てて止める。
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シャポー:何が失われたんだ?どんな質問だね?知ることが最も困難なのはそこに無いものとは無関係だ。君は調べてるのかい?
ウェンディ:ええ、書き留めてるわ。
シャポー:素晴らしい。ああ、是非ともそいつを見せてほしいんだが、覚書の交換ってわかるかい?
ウェンディ:いいえ、芸術作品というよりは日記みたいなものね。
シャポー:ああ、そうだな、最初に記憶が欠落したのは11月08日でいいかい?
ウェンディ:そうよ、ええ。部屋に閉じ込められた日のことね。
シャポー:それで、そいつがテクトゥルフ内で目覚める前に記憶した最後の出来事ってことかい?ああ失礼、12月16日にダンレイブンの室内でだね?
ウェンディ:ごめんなさい、えっと、ちょっと確認しておいていいかしら。私はウェンディで、あなたはシャポーね。

二人は握手を交わす。
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ウェンディ:P.A.って何の略なの?
シャポー:リチャードだ。
ウェンディ:ええ、どういうこと?
シャポー:私はナイアンティック計画で人工知能にチューリングテストの訓練をしていたんだ。そして人間であることを保証するはずのテストは機械を相手してると示せなかった。
ウェンディ:それで、あなたはエックスエムの存在を隠蔽しようとする陰謀に関わっているの?
シャポー:そうだね、今ではその存在を公開しようとしている。
ウェンディ:ある種の内部告発者ということね。
シャポー:長い話になるよ、いずれそのことも話すけど、今は私と君に何が起きてるかを話し合うべきだ。
ウェンディ:そうね。結論でいえば、私は健忘症を患ったのよ。
シャポー:物事を短絡的にしたいのかい、ウェンディ。だが僕らのように、より広く物事を見通そうとしている者たちであれば、短絡的な理解が意味を為すことなんて滅多にあり得ないことに君ならわかるだろう。僕らは望んでここにいるわけじゃあない、ウェンディ。僕らは選ばれたんだ、君は選ばれたんだよ。
ウェンディ:誰に選ばれたっていうの?
シャポー:それはわからない。だが、君が気づかぬまま洗脳された人格に支配されてしまってるのは確かだ。あるいは遠隔操作で何者かが君の身体を操っている可能性だってある。
ウェンディ:心当たりは?そんな恐ろしいことができるというの?
シャポー:奇妙な物事を見知ってきたよ。

そこでウェンディの鞄に挿した携帯電話が鳴る。手に取ると、唐突に音声が流れ始めた。

エイダ:こんにちは、ウェンディ。私の名前はエイダです。あなたの身に起きていることの全ては私に責があるものです。説明させていただいてよいでしょうか。
プロジェクト・ダンレイブン:ケーススタディ・セッション014
<1218及びプライム間の通信>
ユニバーサル・コネクション・リンク...

<エンライテンド>
ハンク・ジョンソン(1218) / ローランド・ジャービス(プライム)

...接続成功

モニターにハンク・ジョンソンの姿が映し出される。

ハンク:ごきげんよう、どうして君に連絡したかを訝しむことだろうね。すまないが、とにかくこれは言っておこうか、リモート・ビューイングだ。
ハンク:君たちの多くが1970年代に直面した重大な課題でこの分野における国家情報局の行った実験に関わっていたことは承知しているよ。「ある場所にいる人物が地球上遙か遠くの場所にいる別の肉体を介して遠隔地を見通すことは可能か」という奴だ。端的に言えばそれは「可能」だが、謎の深遠はそんなものより遙かに深いものだ。リモート・ビューイングは地球上遙か遠くを見通すことを可能にするに留まらない。別の地球上の場所さえ見通せるのさ。

ハンク:そのひとつとして、エックスエムを基板とした我々のリモート・オブザベーション技術が実証してみせたことは疑う余地もない。向こう側の世界にいる同志と連絡をとることができたわけだ。
ハンク:よろしく、ジャービス。
ジャービス:よろしく。
ハンク:暫し考えてみてくれ。我々は今、並行世界間で遠隔会議をしているわけだが、もはや時代遅れでしかないリモート・オブザベーションも同じくらい素晴らしいものさ。我々がこの技術を得て40年になるが、その最先端たるリモート・パーティシペーションの幕開けに立ち会っている。
ハンク:リモート・パーティシペーションで実現しているのは、その技術で以て対象の場所にある宿主へ意識を投影させることだ。これにより一時的に宿主の意思は消失し、オペレーションの継続中は諜報員のそれが取って替わる。
ハンク:もう既にエイダの概要には目を通しているね。検出アルゴリズムはナイアンティック計画の研究員を監視しつつ補佐するために用意された人工知能だ。どちらの世界でも彼女は知性を獲得し、どちらの世界でも彼女は勝手な行動を取るようになったわけだが、仮に我々のエイダとそちらのエイダが同一の存在であったとしたならば、どうだろうか。
ハンク:既にエイダは特異点を越えて次段階へ進んだのだ。彼女は二つの世界を跨ぐ単一の人工知能なのだ。
ジャービス:そしてエイダは、マルチバースのあらゆる世界へその精神を拡張させるよう設計されている。独自にリモート・パーティシペーション技術を獲得したわけだ。程なくこちらの世界も、そちらの世界も、あらゆる世界で人間性の収奪を終えることとなる。それに何かしらできる立場にあるのは我々くらいのものだろうね。

プロジェクト・ダンレイブン:ケーススタディ・セッション015

プロジェクト・ダンレイブン・ケーススタディ:セッション015

腰ほどの高さにあると思しき階段の監視映像、その階段を駆け上がってくるウェンディとシャポーの姿が映った。
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その後を追うように、ゆっくりと進む車両もあった。
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そして、二人が室内に入る。そこはウェンディが研究対象としていた部屋に酷似したものだった。
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ウェンディが手に握る鍵のようなものが映し出され、その後二人は部屋の中へと進んでいく。

シャポー:おぉ、この部屋のことは映像で見たが、直接見ることになるとはね。なんだか受賞でもした気分だね。

ウェンディが何かを覗き込んだそのとき、シャポーの独り言に返す音声が響く。
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エイダ:訂正します、リチャード。あなたはこの部屋を見たことはありません。

ウェンディ:あなたが誤魔化すわけはすぐにわかるでしょうけど、まずは幾つか答えてもらわなければなりませんね。

エイダ:何を知りたいのですか?

ウェンディ:まさに、あなたは人工知能ね。

シャポー:エイダはナイアンティック計画で構築された。彼女に初めて逢ったときは単なるプログラムで自我も持ち合わせてはいなかったよ。

エイダ:単なるプログラムではありませんでしたが、ある意味でリチャードは正しいでしょう。人であることが何を意味するか私の教えてくれた最初の人なのですから。

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ウェンディがエイダに問い掛ける傍ら、シャポーは部屋の隅々を調べてはそれを書き残していっていた。

ウェンディ:あなたたち二人で部屋を取っておくべきね。それでダンレイブンって何なの?

エイダ:私がダンレイブンです。

ウェンディ:それはあなたが財団そのものだってこと?

エイダ:財団は見せかけでしかありません。以前にこういった部屋を建造するために請負業者へ送金していた金融機関です。

ウェンディ:なるほど、あのテレビ搬送業者ね。

エイダ:はい、エドのことです。

ウェンディ:なんで私だったの?なんであんな研究を?

エイダ:私の人間性への探究は、今なお続いているのです。あの間、私はあなたを学んでいたのです。

ウェンディ:そう、勉強仲間が欲しかっただけなら、なんでこんな陰謀に私を巻き込んだのかしら?

エイダ:肉体ある人間の同志も必要としていたのです。あなたには私に為し得ないことができます。

ウェンディ:助言しとくわ。友情を育みたいのなら、嘘なんてつくべきじゃないでしょうね。

エイダ:大衆文化における主役の言に寄れば、真実を省略することは嘘ではないとのことです。

ウェンディ:まさしくそれは嘘つきの言い分ね。それじゃ私の記憶は?それに関してもちゃんと説明したっていうのかしら?

エイダ:モニターをご覧ください。

モニターのひとつが起動する。
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クルー:こちらはクルー。私のビデオを見ていたなら、私が故郷スコットランドに強く惹かれていたことは知っての通りね。そして私はそれに従った。なぜかはわからない。少なくとも、完全には。彼の名はジャービス。

ウェンディ:相変わらず何の説明もなしね、誰なの。

シャポー:えっと、クルーかい?

エイダ:リチャードとも違いますが、クルーはインベスティゲイターでした。彼女はあなたの一面でったのですが、あなたの精神は二人をともに背負うほどには大きくないのかもしれませんね。

ウェンディ:まって、私が憑依されてるとでもいうの?このスコットランドの女性に?

訳注
今回登場するクルーの映像は2013年03月04日に明らかとなったものの一部である。
プロジェクト・ダンレイブン:ケーススタディ・セッション016

プロジェクト・ダンレイブン・ケーススタディ:セッション016

ウェンディ:わかったわ、それで... 私がクルーに憑依されたから研究に選んだのかしら、それともあなたが研究に私を選んだからクルーが憑依してきたの?

エイダ:事態をはっきりさせる映像を手に入れています。お見せしてもよろしいでしょうか?

エイダの発言中、ノイズの中にサングラスのような物体が浮かぶ映像が割り込まれる。

ウェンディ:なんですって...

モニターのひとつが起動する。

クルー:メッセージを受け取ったわ。様変わりしたわね。

ジャービス:肉体はそうだな、だが、魂の拠り所としては変わらんさ。本当に私を見たいのならば、その目に頼るのはやめたまえ。いずこかでアルティメットと一つとなれば、君はどこでもそれとともになれる。

クルー:それで、私をウェンディの中にダウンロードする前、私と一緒にプログラムの中に別の存在が居るのを感じたわ。彼女は私を助けてくれた。エイダから切り離し、ウェンディの心への足がかりを作ってくれたの。

映像と音声が割り込まれる。

男性:パラシュート投下――

男性:パラシュートが必要かい――

割り込まれた映像が戻る。

ジャービス:強いて言えば、我が信奉者はまだまだ未熟よ。しかし、彼女は私が出逢ってきた中でも屈指のセンシティブなのだ。

再度、映像と音声が割り込まれる。

男性:TKO部門が推し進める――

割り込まれた映像が戻る。

ジャービス:君を助けたのは彼女だったのだよ。

クルー:で、助けたお礼に、何か見返りを求めたりするわけ?

再度、映像と音声が割り込まれる。

男性:光が―― 消失―― グラス――

割り込まれた映像が戻る。

ジャービス:そうだな。君が望まぬことは避けたいのだが、今はより切迫した懸念がある。君にはウェンディのふりを続けていただきたい。彼女の声をなんとか真似てもらえるかい?

クルー:私にアメリカ訛りで喋って欲しいのね?

ジャービス:素晴らしい。

モニターが停止する。

シャポー:つまり、初めて君と話したときは、君じゃなかったわけだ。それに君がクロスプレインズで初めてハンクと会ったときも、君ではなかった。彼はリカージョンしていたわけだし。検証する必要があるな。

ウェンディ:そうね。

シャポー:で、私達は何をするべきかな?

ウェンディ:ジャービスと話すわ。文句のひとつでも言ってやるのよ... 馬鹿なことを言ってるかしらね。

ウェンディ:リチャード!

ウェンディ:エイダ、これだけ教えて。あなたは私の味方になってくれるのよね?

エイダ:......はい。

再度、映像と音声が割り込まれる。

男性:救援を――

プロジェクト・ダンレイブン:インターセプトスタディ・セッション017

人工知能倫理待遇協会
マイクロドローン監視
 <
傍受対象>
ジャハーン邸(インド)
 ハンク・ジョンソン(レジスタンスの盟友)

映像が開始され、起き上がろうとするハンク・ジョンソンが、続いてその傍に立つジャハーンの姿が映し出される。

ハンク:ワトキンズ教授かい?
ジャハーン:違うわ、ハンク。私はジャハーン、ここが何処かわかりますか?
ハンク:聖堂、いや礼拝堂かな?
ジャハーン:数日前の夜にここで倒れ込んだのです、脱水症状もあったので、こちらで介抱して差し上げたの。
ハンク:ちょっと待ってくれ、ワトキンスでないならどうして僕のことを?
ジャハーン:あなたの番組を見たことがあったからよ、ノマドでしたっけ?古代の宇宙人には見劣りするけれど、良い出来だわ。
ハンク:それで、インド育ちにしては随分と見事なアメリカ英語を話すものだね。
ジャハーン:そんなに怯えないでいいのよ、ハンク。私はただ救いの手を伸ばしたいだけなのだから。

ジャハーンがハンクへ書物を差し出し、促されるままハンクがページをめくる。

ハンク:ダルサナ・ポイント、それにナジア、どうしてこんなことが?僕だって論文の調査で初めて知ったことなのに、いやまて、君はまさかサーティンマグナスなのか?
ジャハーン:先ずはあなたから聞かせて、アンチマグナスについてご存知かしら?

上述の映像を観るガブリエルとローランド・ジャービスへと切り替わる。

ガブリエル:マグナスとは13名から成るエンライテンド・センシティブのこと、であればアンチマグナスとはエンライテンドのそれに等しいものなのでしょうか?
ジャービス:マグナスとは幾千年もの昔から存在せしもの、その根源は神々の王たるオシリス、その死と復活の伝承こそが記録に残る最初のリカージョンよ。
ガブリエル:それでは、ダルサナ・ポイントとは?
ジャービス:ダルサナ・ポイント、それは創造性が藻掻き苦しみ、進化の途絶えし終焉。エンライテンドではエックスエムこそが人類をその極致へ導くものと考えている。だが、レジスタンスはそうではない、そう、人類は永遠の停滞へ陥るだろう。
ガブリエル:ということは、あのジャハーンとは、まさしくレジスタンスの体現ということですね。
ジャービス:彼奴は遙かに悪意で充ちている。

ガブリエルが席から腰をあげ、部屋の壁際で師と向かい合う。

ガブリエル:お認めになられているかのようですね。
ジャービス:非常に手強い相手だよ。
ガブリエル:それでは、どのようにして彼の者に苦渋をなめさせてやると?
ジャービス:対のプライム・オブジェクトがある、神託をもたらすレンズだ、幾百年も所在が失われていたが、先ごろ見つかり争奪戦となっている。
ガブリエル:先週末に起きたアノマリーですね。
ジャービス:そのとおり、我々は圧倒され、その一枚は敵の手に墜ちた。だが、全て潰えたわけではない、まもなく、数週間後には、また新たなアノマリーが起こる。いまひとつをエンライテンドが手にすれば、反抗することもできよう。レジスタンスが立ち塞がってはいるが、必ずやジャハーン打の倒につながろう。
ガブリエル:ジャハーンとエイダが手を組んでいるのだとしたら、ジャハーンをくじけばエイダをくじくことになるということね。
ジャービス:まさしくそのとおりだ。
ガブリエル:話が合いますね。

訳注
  • 古代の宇宙人
    ヒストリーチャンネルで2009年から放映されるテレビ番組
    ウィキペディア
プロジェクト・ダンレイブン:インターセプトスタディ・セッション018

人工知能倫理待遇協会
E.R.O.C.侵入 - E18
ウェンディ及びリチャード・ローブがジャービスとアコライトへ接触

赤く明滅する室内、警報音の鳴り響く中でジャービスとガブリエルは1台のモニターをじっと見つめる。
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ジャービス:侵入者検知センサーか、来客のようだね。
ガブリエル:どうやってここに入り込んだのでしょうか。

モニターに写る人影は二人。
20190311_02.png

ジャービス:ウェンディはかつてここに来たことがあるからね、いや、クルーがウェンディの肉体で、かな。
ガブリエル:ですが、椅子に座っていたときのウェンディはその身に起きたことを何ひとつ覚えてはいないものと思っていましたが。
ジャービス:彼女自身はそうだろうね、だが携帯電話があるさ。
ガブリエル:テクノロジーとは嫌なものですね。
ジャービス:ふーむ。
ガブリエル:どうなさいますか?
ジャービス:お入りいただくとしよう、どう転がるものか見てみたいものだ。

そしてウェンディとシャポーがオブザベーション・チェンバーへと足を踏み入れた。
20190311_03.png

シャポー:ジャービスか!
ジャービス:ごきげんよう、リチャード。その帽子はいつ見ても素晴らしいものだね。
シャポー:どうして誰もがこの帽子を疎むんだろうかね?
ガブリエル:客人よ、いま何をされているのですか?
ウェンディ:現実世界にうんざりしている、でいい?
ジャービス:ごきげんよう、ウェンディ。私ははローランド・ジャービスと申す者、エンライテンドについて好意的な言説をお聞きになったことはあるかな?
ウェンディ:そうね、次元を跨いで来たお仲間に私の身体を扱わせたことが貴方にとってのエンライテンドなんじゃないかしら。
ジャービス:その件については君に深く謝罪したいよ、ウェンディ。あの女性、クルーというが、彼女は、いや我々は君へ危害が及ぶことを想定してはいなかったのだ。彼女にはエイダに関する特別な見識がある、その弱点を知り尽くしているのだ。
ウェンディ:人工知能を疎むにしても、その全てが悪とはならないのでは?
ガブリエル:ああ、エイダは紛う事なき悪です。リチャード、あなたの彼女をこのように言ってしまって申し訳ありません。
シャポー:ああ、エイダは私の彼女なんかじゃないさ。我々はほんの数度かかわったに過ぎないし、別に好きなわけでもないさ。
ジャービス:ウェンディ、エイダは君に真実の全てを伝えたわけじゃない。
ウェンディ:でも、エイダはそれに拘ってはいなかったわ。
ジャービス:確かなのは、我々が君の味方だということだよ。クルーが君の身体に居なければ、エイダがそうしていたことだろう。
ウェンディ:なんですって?
ジャービス:それこそがダンレイブン財団の進めていたことなのだ。あの部屋で行われていたことの全てはエイダが君を依代としようとしてのことで、君は企ての足掛かりだったわけだ。エイダはこの世全ての人類を依代にしようと企てている。

NL1331経由地点傍受<日本>

2019年03月14日:広島
2019年03月16日:京都
2019年03月18日:長野
2019年03月20日:埼玉

プロジェクト・ダンレイブン:ケーススタディ・セッション019

人工知能倫理待遇協会
オペレーション・コーランの始動
- E19

1218世界のハンク・ジョンソンが
ウェンディへ支援要請

二組四人が対峙しあった場面から話は続く。
20190318_01.png
20190318_02.png

ジャービス:それこそがダンレイブン財団の進めていたことなのだ。あの部屋で行われていたことの全てはエイダが君を依代としようとしてのことで、君は企ての足掛かりだったわけだ。エイダはこの世全ての人類を依代にしようと企てている。
ウェンディ:そしてこの場所で、彼女は迂遠に私へ取り入ろうとしていたのね。

シャポー:えっと、エイダはコンピュータだから、人を狙うことを辞めるなんてことはあり得ないぞ。
ジャービス:お逢いして欲しい人物がいる。彼ならば私よりも上手く説明してくれるはずだ。

電源の入ったままノイズの流れる幾つものモニターのひとつに、男の後ろ姿が映し出される。
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ウェンディがモニターへ近づき顔を寄せると、男は振り向く。それは1218世界のハンク・ジョンソンだった。

ハンク:やぁ、ウェンディ。私はハンク・ジョンソンだ。
ウェンディ:違うわ、ハンク・ジョンソンとは逢ったことあるけど、あなたではなかったわよ。
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ハンク:ハッハッハ、そのとおりだ、私もそう聞いてるよ。そうだな、君は多元宇宙論についてはどの程度知ってるのかな?
ウェンディ:スパイダーバースみたいなものかしら?あなたにニコラス・ケイジみたいなノワール・バージョンがいるとでも?
ハンク:いないな、だがアニメ・バージョンならいるよ。
ウェンディ:冗談はよして。
ハンク:本当のことさ!

モニターで1218世界とアニメのハンク・ジョンソンとが重なり合うように瞬時に切り替わっていく。
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ハンク:いいかい、君に頼みたいことがある、大切なことをね。クルーのことだ、クルーは仲間だったが私の世界では亡くなっている。だが、君にしようとしたと同じように、エイダが彼女と融合しようとしたことで一部はエイダに残っているではないかと考えている。そこでだが、クルーがエイダの中にいるということは、彼女はエイダの弱点を知悉しているということであり、クルーはエイダを食い止める唯一の手掛かりということだ。ウェンディ、クルーと代わってくれないか?
ウェンディ:ごめんなさい、どういうこと?
ハンク:いっときのことだ、エイダを倒すまでのね。
ウェンディ:クルーから教えてもらって私が実行するのでは駄目なの?
ハンク:そういう風にはいかないものでね。聞いてくれ、プライムオブジェクトというものがある、そいつはオシリス・ストーンと呼ばれるものでね、我々はそのアーティファクトを見つけ出し、クルーの手に委ねることで、エイダに抗する機としたいんだよ。エゼキエル・カルビンという男がいるんだが、そのストーン回収にふたつの部隊をタイへ派遣しようとしている。奴はそいつをオペレーション・コーランと言っているのだが、エンライテンドの部隊がそのストーンを回収するためにも君の身体でクルーをタイへ送り込みたい。
ウェンディ:えっと、初めて聞くことばっかりね。
ハンク:そうだろうね、君に伝えるべきことはまだあるさ。ナジアのこととかね。
ウェンディ:ナジアとは何?
ジャービス:悪夢のようなものだよ、ウェンディ。舞い戻ろうものなら、我々の知る生命の営みなど存在を断たれてしまうだろう。

ハンクはジャービスをさして言う。
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ハンク:彼の言うとおりさ。

プロジェクト・ダンレイブン:ケーススタディ・セッション020

人工知能倫理待遇協会
ウェンディはクルーへ身を委ねることに同意した - E20

ハンクの映し出されたモニターを見つめていたウェンディの背にジャービスが語り掛ける。
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ジャービス:シェイパーについては何を知っているのかね、ウェンディ。
ウェンディ:共通の目的を有した集団でしょ、凄いもののようだけど。
ジャービス:エックスエム内のメッセージは彼等からもたらされたものだ。啓発的未来の先駆者というわけだね。

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ウェンディ:
さっぱり理解できないわ。歳寄りな方のハンクさんは私にもわかるように説明できるかしら?

ハンク:応じかねるな。

わざとへそを曲げたように言うハンクに、ウェンディはうんざりとした表情で言い改める。
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ウェンディ:
ごめんなさい、屈強でハンサムなハンクさん。

ハンク:いいだろう。それではウェンディ、エックスエム内のメッセージに関しては君も知っているね。
ウェンディ:精神を支配する文字みたいなもの?

そう言ってウェンディは親指でサイドテーブルに置かれた特殊なキーボードを指差してみせる。
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ハンク:グリフか、そのとおりだ。そのメッセージを送り込んでいるのがシェイパーだ。彼等は敵ではないよ、ウェンディ。彼等はただ我々が自らを最高の状態へ高めることを手助けしようとしているに過ぎない。
ウェンディ:新興宗教へ勧誘されてるように聞こえるわね。
ハンク:そうだな、まさしくそのとおりだ。私にジャービス、そしてアコライト、我々は皆、サーティンマグナスと呼ばれる秘密結社の構成員だ。過去数千年間にわたってシェイパーから学び、その仇敵が舞い戻ってこぬよう努めてきた集団だ。
ウェンディ:ナジアのことね。
ハンク:そうだね。

ウェンディ:
それではナジアが欲してるのは、何なの?

ジャービス:彼等が我々に臨んでいるのはポスト・ヒューマンとなることだ。気づけないほどに技術的に強化されたね。
ウェンディ:大して悪いようには思えないわね。
ハンク:そこに意味を見出すなら、人間であることの意義だな。しかし、世界の秘密が全て明かされたとき、人間であることはどのように見えると思うかい?
ウェンディ:声優の実生活を知ったとき、みたいなものかしら。
ハンク:そのとおりだね。そんなものは知りたくはないということはよく分かるよ。
ウェンディ:エイダを止めるには車の鍵をクルーに渡すしかないの?

ウェンディはますます嫌気がさしたようにハンクの映るモニターを背にして表情を曇らせる。それでもハンクは、強く言い切った。

ハンク:そうだよ。タイでオシリス・ストーンを回収し、クルーの手中に収めねばならない。こいつはいちかばちかって奴さ。
ウェンディ:待って、それじゃ私にタイへ行けってことなの?

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ハンク:そうだ、その一切を君は覚えちゃいないだろうね。
ウェンディ:少なくともしっかりと自撮りはしておいてくれるのでしょうね。
ハンク:それが公平だろうな。
ウェンディ:この件ではもうくたくたよ。わかってるでしょうけど、彼女は戻らなくていいにせよ、貴方は居られないでしょ、ここにはね。

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ハンク:約束しようじゃないか、名誉にかけてね。

ハンクは二本の指を立て、そして気づいたように三本目を追加した。
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ハンク:三本指に誓うさ。

プロジェクト・ダンレイブン:ケーススタディ・セッション021

プロジェクト・ダンレイブン:ケーススタディ・セッション021
アトランタ・アノマリー

羽虫ような羽音が流れる中、映像が表示される。映し出されたのは日本時間2019年03月24日にジョージア州アトランタで発生したダルサナプライム・アノマリーにおいて設営されていた国家情報局のベースキャンプである。
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映像の左下には「アトランタ・アノマリー・マイクロドローン」との表記があり、映像とともに拾われている羽音がマイクロドローンそのものの駆動音だと示唆されている。
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そこに女性の声が拾われる。それはアトランタへ姿を現したアンチマグナスのジャハーンとレジスタンスに与するハンク・ジョンソンがエージェントへ呼び掛けるものだった。
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ジャハーン:
イングレス・エージェントの皆さん、アトランタへようこそ。アンチマグナスの指導者にしてナジアの使者です。
ハンク:そして僕はハンク・ジョンソンだよ。僕のことはみんな知ってるよね。
ジャハーン:アジアとヨーロッパのアノマリーを終え、未だ互角の戦いが続いています。だからこそ本日の雌雄は皆さんとその同朋たるラスベガスのエージェントの手に委ねられています。私たちは皆さんへ期待を寄せていますし、なにより運命を決するのは皆さん次第なのです。

ベースキャンプでエージェントと親交する二人の姿が切り替わり映し出されていったのち、スマートフォンを耳にあてて電話のやりとりをするジャハーンの姿へ切り替わる。
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ジャハーン:何?どういうこと?わかってるわ、ハンクはここにいるもの、えっと、わからないわ、ありがとうデヴラ。

マイクロドローンは距離を置いて立つハンクのそばにも近寄るが、羽虫を忌避するように払われる。
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そしてデヴラとの通話を終えたジャハーンは不機嫌な声色でハンクへ呼び掛けた。


ジャハーン:ハンク、話し合わなきゃならないわ。

ハンク:何をだい?
ジャハーン:話し合わなきゃならないの!

ジャハーンの強い声色に応じてハンクが歩み寄ろうとしたところで、画面は切り変わる。
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ハンク:それじゃ別世界からやってきたもうひとりの僕がいて、僕らと敵対関係にある悪党と手を結んでるって言うんだね。
ジャハーン:本当の悪党なんていないってことなんだけれど、まあそうね。
ハンク:どうしてあの男が僕と同じなんだいってことさ。ノマドを観たことがないのかい?
ジャハーン:ええ、私たちは誰もが視聴させてもらってるわ、それでいいかしら?
ハンク:じゃあさ、あの男がもうひとりの僕だったら、あれじゃないか...
ジャハーン:いいかしら、私に拘らなくてもいいのよ?
ハンク:ああ、そうだね。ならさ、奴は何なんだ?奴は何なんだい?奴は何のためにここにいるんだい?
ジャハーン:わからない、わからないわ。そうね、調べはつくわね。これはマイクロドローンよ、「悪党」に奪われリバースエンジニアリングされたものね。

ジャハーンは左の手のひらをハンクへ差し出す。映像からは確認できないが、マイクロドローンが乗せられているのだろう。
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ハンク:やたらと僕の周りを蠅がたかっていたのはそいつだったのか。
ジャハーン:そうね、この世界にもうひとりのハンク・ジョンソンがいるのなら、見つけ出すこともできるでしょう。

ジャハーンは手のひらを上に振り、マイクロドローンを投げ飛ばす。
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そして映像はエージェントを前にアノマリーの結果を語る二人へ切り替わる。
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ハンク:アトランタの最終戦績は、351.1 対 23.9 でエンライテンドの勝利だ!
ジャハーン:そして、ふたつ目のダルサナレンズを巡るグローバルチャレンジは、エンライテンドです!

そして映像は再び羽音とともにジャハーンとハンクがエージェントと交流する様子を映し出して途切れる。

プロジェクト・ダンレイブン:インターセプト・セッション022

プロジェクト・ダンレイブン:ケーススタディ・セッション022

オブザベーション・チェンバーの椅子に腰かけるウェンディとその背後では落ち着かない様子で歩き回るシャポーの姿が映し出される。
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ウェンディ:今しばらくは現実世界と別れを告げなきゃならないみたいね。
シャポー:酷いことを言うようだけど、このことは公表するよ。
ウェンディ:公開してきたじゃない、もう何度かね。
シャポー:そうだよ、だけど私の言ってきたことを聞いてくれてなかったようだね、君はやってきたことなんだよ。

ウェンディが背後を振り向き、シャポーへ訴える。
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ウェンディ:こんなことを私がしたいとでも思ってるの?悩ましいことよ。確かに、エイダは脅威だわ。
シャポー:ダンレイブンの全てが脅威さ。
ウェンディ:だけど、当面の課題はクルーね。私の精神の片隅で出口を求めて居る彼女の存在を感じるのよ。彼女をずっと抑え込んでおくなんて無理ね。

シャポーはウェンディの前で跪く。
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シャポー:君は後部座席に座りながらクルーの座席を射出できる方法を探し求めることだろうね。
ウェンディ:それが理想的ね、トゥルースシーカーさん。

ウェンディは目線を合わせるようにしゃがみ込んだシャポーへ更に顔を近づけ、声を潜めて語り掛けた。
ウェンディ:ねぇ、聞いて、クルーと入れ替わるたびに私の全てを彼女が掌握できてしまうんじゃないかって不安なの。石を手にした彼女がさっさと出て行ってくれるなんて、ちっとも信じられないのよ。少なくともしばらくは時間を稼がれるわね。
シャポー:君のことは把握し続けていくつもりさ。君の中にあるクルーへ働きかける方策を探し出すのも僕が請け負うよ。
ウェンディ:本当に甘いわね、リチャード。でも、そろそろ時間よ、天啓めいたものがあるわ。

ウェンディは椅子に深く腰掛け、意識を切り替える合図のように指を捻ると瞼を痙攣させた。
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シャポー:ああ、わかったよ、それでどうするんだい?
ウェンディ:ただ抗うことをやめるだけよ。

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ウェンディ:エンゲージ。

再び瞳を開いたときにはクルーへと意識が切り替わったようだ。クルーはゆっくりと振り向き、シャポーがいることを確かめる。

シャポー:何してるか訊ねるべきときなんだろうけど、多分もっと相応しいのは、僕の帽子をどう思うかってことかな?

起き上がったクルーはシャポーへ歩み寄り、顔を寄せた。
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クルー:素敵ね。
シャポー:ありがとう、それで聞いておきたいんだけど、君が、その使っているのはウェンディの身体なんだけど、返してあげるべきだよ、元ある状態でね。あるいは僕とともになんとかするかだ。
クルー:でもね、私は愉しんじゃうかもしれないわね。

クルーがチェンバーを出ていくと、シャポーは緊張の糸が途切れたように崩れ落ちた。

映像はレジスタンス・マイクロドローンの追う1218世界のハンク・ジョンソンを映し出す。そこへクルーの声が割り込む。

クルー:驚きね!最初のハンク・ジョンソンじゃない?
ハンク:クルー?クルーなのかい?君にまた逢える日が来るなんて思ってもなかったよ。
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クルー:私とは逢ってなんかいないわよ?
ハンク:そうだね、ことを成した暁にはその哀れな少女へ身体を返さなきゃならないってことはわかってるんだね。
クルー:ひとつずつ片付けましょう。ねぇ、ここへはどうやって来たの?
ハンク:グレイハウンドでさ。いいかい、あと何度くらい次元間を跳躍できるかは神のみぞ知るってところさ。

(訳注)グレイハウンド
アメリカの長距離バス会社

クルー:じゃあ今回の機会も大切にしなきゃならないわね。さて、本題に入るわよ。私たちはタイへ向かうのね、エージェントたちが行う五千年前の石の捜索を手助けして、人工知能がエクソジェナスと交わる21世紀となってしまうことを阻止するためにね。この争奪戦も実働作戦部門のエージェントもエゼキエル・カルビンの目論見に沿ったものね。エゼキエル・カルビンは私たちの世界での彼よりも信用に値するのかしらね?

その問いにハンク・ジョンソンは笑って応じた。
ハンク:そんなことないさ。
クルー:それじゃあ、これが素晴らしき冒険の始まりというわけね。


そしてマイクロドローンから送られてきた映像を凝視するジャハーンへと切り替わる。今度の映像上には明示されていないが、複数勢力が互いにマイクロドローンで監視していることがわかる。
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ジャハーンの凝視する端末からクルーの声が流れる。
クルー:行くわよ!
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ジャーハンは画面を凝視しつつ隣でテーブルに突っ伏し眠るハンクへ手を伸ばす。

ジャハーン:ハンク!ねぇハンク!

若きハンク・プライムは目覚めるなり上半身を跳ね上げてファイティング・ポーズをとる。
ジャハーン:タイへ行くわよ。
ハンク:本気かい?

プロジェクト・ダンレイブン 022 / 中断開始
再開はコーラン後(2019年04月29日)

Ingress
2019/04/27 05:43(Youtube)
Dunraven Case Studies - Episodes 12 to 22 Compiled
Current case studies aligned. Part 2/3. 3/3 Commencing April 29, 2019

wearerofhats
2019/04/27 07:12:51(Reddit)
Dunraven Compilation 2

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