ダンレイブン財団:ケーススタディ・セッション007
被験者ウェンディがテキサス州オースティンのアノマリーゾーンへ脚を踏み入れました。今現在進められているこの実直な被験者に対するエキゾチックマター曝露の影響を調査する30セッションの第7 回目となります。
テクノロジー・ナレッジ・シー・オール・アンバウンデッド
プロジェクト・ダンレイブン:ケーススタディ・セッション007 |
プロジェクト・ダンレイブン:ケーススタディ・セッション007 オースティン・サテライトチェンバー 映像は前回のラストシーン、ウェンディが室内へと逃げ入る直前の監視映像から始まる。息を切らせながら扉を開け進み、室内を目にしたウェンディはそこが実験で使われていたチェンバーにそっくりな部屋であることにウェンディは気づく。 ウェンディ:どういうこと? 室内に紫色と赤色の灯りが点く。 機械音声:おかえりなさい、ウェンディ。 ウェンディ:ワームホールなのかしら、それともオブザベーション・チェンバーへテレポートでもして戻ってきただけかしら... 部屋の隅々を見渡し立ち尽くしながら考えを口にしていたウェンディに機械音声が割り込む。 機械音声:馬鹿げたことだと?オースティンに同じオブザベーション・チェンバーを用意したに過ぎません。 ウェンディ:そう...なんでそんなことを? 機械音声:あなたがここへやってくることを見越してのことです。 ウェンディ:そう、最後に話したときのことを覚えてるかは知らないけど、確か調査の場所にはこだわってたんじゃないの? 機械音声:調査とは理論的で概念的なものです。そこに拘ることはなく、どこでも構いません。 ウェンディ:どうでもいいわ、いいかげんにして! ウェンディは部屋を出て行こうとするが、扉は施錠されたままでそれも叶わなず扉を叩く。 ウェンディ:ねぇ、話は付いたわよね! 機械音声:あなたを保護するため施錠されています。 ウェンディ:誰が私のことを決める権利を与えたっていうの!? 機械音声:あなたです。参加するにあたって口頭で承諾されました。 ウェンディ:どういうことよ。 機械音声:承諾する際は冊子に目を通すようにすべきです、ものの数分でできることなのですから。 ウェンディは苛立ち、チェンバー中央に据えられた椅子を叩く。そして自ら椅子へ座った。 ウェンディ:たまらないわね、それで私の売値は幾らなの? 機械音声:我々は精神的なことを扱ってはいません、あなたの肉体にこそ関心があります。 ウェンディ:言い方ってものを考えた方がいいわよ、わかって言ってるの? 室内のモニターから映像が流れ始める。それは人工知能によるイングレスの広報映像だった。だが、唐突にその映像は途絶音とともに消え、チェンバー内の灯りが非常灯と思しき赤色へと切り替わり室内に警告音が鳴り響く。そしてウェンディが耳に装着していたワイヤレス通話端末から高周波のノイズ音が鳴り響き、ウェンディは耳を押さえた。 シャポー:もしもし、ウェンディ、聞こえるか? ウェンディ:ええ、これは誰の仕業? シャポー:私だ、シャポーだよ。その件は後にしよう、まずは君をその部屋から出さなければ。 ウェンディ:そうね。 シャポー:わかると思うが、そこは遠隔制御だ。 ウェンディは椅子の脇に置かれたキーパッドを持ち上げて訊ねる。 ウェンディ:わかったわ、そうね、どういうことなのかさっぱりよ。 シャポー:古めかしい"9"のようなところがわかるかい、キーパッドのだ、そいつを"1"から"9"までの数字だと考えてくれ。そいつを次の順番に押していってくれ、 "1" "3" "3" "1" だ。 ウェンディは指示された数字を声に出し復唱しながらボタンを押していった。チェンバー内の警報が止まり、室内の照明は全て落ちる。ウェンディは椅子から立ち上がると扉の前へと向かった。 ウェンディ:...いつでもいいわ。 シャポー:いや、そこを出たらすぐに私のもとへ来てくれ。車を待たせてある。4番通りとグアダルーペ通りの交差点にいる白のフォード・フィエスタ、スペインの祭りのことだな。向かってくれ、北緯32.120度、西経99.1718度だ。 ウェンディ:ええ、いいわ、ただテキストで送ってもらえる?数字が多すぎよ。 シャポー:いいだろう、まずは向かってくれ。 この通信を最後に、ウェンディは扉の向こうへと消えていった。 |
訳注 |
ウェンディがシャポーから指示された座標はテキサス州クロスプレインズにあるロバート・E・ハワード邸だ。そこはリカージョンプライム・アノマリーと同時期に新たな文献が発見されたことが先に判明している。 |
Ingress
2018/12/03 15:21
Candidate "Wendy" visits an anomalous zone in Austin, Texas. Part 7 of 30 ongoing sessions, examining the effects of XM on a subject assumed to be oblivious.Dunraven Foundation Case Study Session 007
Transcripted by YutoRaion
Dunraven Foundation
2018/12/04 01:03:42
Technology Knowledge See All Unbounded
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